ーー学校。

そこは、集団生活における最初の試練である。
集団で生活を共にし、多くの人間と関わり合う場所。




だけど、私の場合…。


右を見ても、蓮。
左を見ても、蓮。

蓮…蓮…蓮…れれれれれ…れん。

どこを見ても、どこを振り返っても…蓮。


これは、集団ではなく単独行動。
視界に収まるのが全て蓮だから、一瞬集団のように錯覚してしまうが、実際は一人だけ。



朝登校すると、先に登校していた蓮が私の元へと駆け寄ってくる。
まるで懐いている飼い犬のように。


授業が終わっても、
移動教室の時も、
教科でグループ班になっても、
お昼になっても、
放課後になっても、
帰る時まで…。



まるでマンツーマンのよう。
言い方を変えればストーカー。

いつでもどこに居ても追いかけてくる。
それが同じクラスの強み。



そんな彼だが、両手では数えきれないほどのファンが存在する。
付き合っていた当時、数えきれないほどの嫌がらせを受けたから、私にはよく分かっている。

だけど、彼は今日も平々凡々な元カノの私を追いかけている。





最近、感じる…。
蓮の付きまとい方が付き合っていた頃よりもひどい。

ヤキモチ度が更にエスカレート。
先生に対してのライバル目線がハンパじゃない。


周りから見ても、私と蓮が復縁したのではないかと勘違いしてもおかしくないくらい、蓮は私の傍から離れない。