ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 それにしても、どんな男だったのだろう?

 その男のことを聞くのが、何故か怖い。

 あのあと、あかりの布教活動の一環か。

 堀様とやらを見せられたのだが。

 ああいう感じの繊細な美形だったのだろうか。

 青葉の妄想では、あかりはミュージカルの舞台のような絢爛豪華なヨーロッパの城の中で。

 堀様みたいな貴族の男に、(ないがし)ろにされていた。

 次に舞台は日本に切りかわり。

 明治から昭和初期くらいまでの文豪みたいなイケメンにあかりは酒代を要求されていた。

 そして、その繊細な美貌の文豪はあかりを捨てて、別の女と入水自殺してしまうのだ。

 そりゃ、アブラカタブラとか、テクマクマヤコンとか唱えたくなるよな~、と、

「いやいやいやっ。
 あの呪文は、子どもたちに要求されただけですよっ。

 あと、テクマクマヤコンは言ってませんよっ」
とあかりに叫ばれそうなことを青葉は思う。

 そんないろいろ混ざったような妄想をしながら、あかりから聞いた男の話をしていると、来斗は、

「いや、その男、死んではいないと思いますよ」
と言い出した。