診察のとき、子どもが緊張しないよう、パパやママに似てるなあ、とかいう話題をよく振っているので。
その流れで、なんとなく言っただけのようだった。
「はいはい、もう行きますよ、お父さん。
ごめんね、あかりちゃん、日向。
えーと……木南さん」
若先生は苦笑いしながら、いつも細かいことは気にしない大先生を引きずるように連れていった。
笑顔で見送っていると、背後に立つ青葉が訊いてくる。
「……日向はお前の弟じゃなかったのか?」
まあよく考えたら、自分の息子であることは、日向に対して隠しているだけで。
人に対して隠しているわけではない。
通りすがりに近いこの人に知られても、別にいいか、と思い、走って店に入っていく日向の背を見ながら、あかりは言った。
「日向は私の子どもなんです。
相手の実家に、私の子といって育てるなと言われてるだけで」
「例の手切れ金の男か」
はあ、そうです、とあかりは頷く。
その流れで、なんとなく言っただけのようだった。
「はいはい、もう行きますよ、お父さん。
ごめんね、あかりちゃん、日向。
えーと……木南さん」
若先生は苦笑いしながら、いつも細かいことは気にしない大先生を引きずるように連れていった。
笑顔で見送っていると、背後に立つ青葉が訊いてくる。
「……日向はお前の弟じゃなかったのか?」
まあよく考えたら、自分の息子であることは、日向に対して隠しているだけで。
人に対して隠しているわけではない。
通りすがりに近いこの人に知られても、別にいいか、と思い、走って店に入っていく日向の背を見ながら、あかりは言った。
「日向は私の子どもなんです。
相手の実家に、私の子といって育てるなと言われてるだけで」
「例の手切れ金の男か」
はあ、そうです、とあかりは頷く。



