「いやよ。
 また堀様のチケットが当たるか占う気でしょう?」

 あれは当たるかどうか待ってるときも楽しいのに、と言うと、
「ですよね」
と嫁は笑う。

 我が家とは釣り合わない嫁だと思っていたのに。

 気がつけば、逆の意味で釣り合わなくなってしまっていた。

 まさか、吾妻の血族だったとは……。

 だが、どんな苦境に立たされても、なにが明らかになっても、この嫁は変わらなかった。

 いつもなんだか、ぼんやりしている。

「あっ、すみません、寿々花さんっ。
 日向見てもらっちゃってて」

 そう言いながら、真希絵さんが慌てて戻ってきた。