「今日はありがとうございました」
ファミレスを出たあと、あかりは寿々花の車の前で頭を下げた。
「乗っていきなさいよ。
どうせ、日向に会ってから帰るんでしょ?
私もちょっと顔見たいから」
と言われ、孫と会う機会を潰しても悪いな、と思ったあかりは、素直に乗せてもらうことにした。
……車に泥を落としたりしたら殺されそうだ。
そんなことを考えて、つい、駐車場のアスファルトに靴底をこすりつけていたが。
寿々花に気づかれ、
「なに、イノシシかなにかみたいに、前足で地面を掻いてるの。
……うちの馬もなにか欲しいときや、不満があるときやってるけどね」
と言われてしまう。
……すみません。
不満など、なにもございません、とあかりは無駄な抵抗をやめ、助手席に乗った。



