フィンランドの夢を見た。
オーロラを見に行く前、青葉が双眼鏡を買ってくれて、嶺太郎に借りていたあかりの家から空を見上げた。
あの頃の青葉さんも……
今の青葉さんも、記憶があってもなくても、青葉さんだな……。
そんなことを思い出しながら、目を覚ますと、そこは青葉の部屋で。
昔のように先に目を覚ました青葉が自分の顔を見ていた。
たまには、私の方が先に起きて、青葉さんを眺めてみたいなと思っていたけど。
一週間しか一緒にいなかったので、そんな機会はなかったな……とあかりは、
「いや、お前、たぶん、この先もずっと、俺より後まで、ぐーかぐーか、寝てそうだぞ」
と言われそうなことを思う。
そのとき、
「思い出したよ」
と、そっとあかりの頬に触れ、青葉が言った。
「なにをですか?」
「フィンランドの記憶」



