タクシーで来た滋子と日向を車に乗せたあと、あかりが助手席に乗る前に、青葉が別荘を振り返り言う。
「……よかった。
俺の死体、埋め放題にならなくて」
「大丈夫です。
埋め放題になんてなりませんよ」
「あかり……」
「青葉さんの死体はひとつですから」
いや、そういう問題ではない、という顔で見られる。
「……そんなことより、手を離してください」
「いやだ」
「離さないと、乗れないじゃないですか」
「いやだ。
離したら、また何処かとんでもないところに行きそうだから」
「いや、記憶をなくしたり、消えたりするのは、大抵の場合、あなたですよっ」
とあかりは言った。



