珍しく日向を膝に抱き、ブランコに座った寿々花が難しい顔をして言う。
「でも……、私たちは寂しくなるけど。
日向にとってはいいお話なのかも」
だって、吾妻の後継者になるのよ? と寿々花が言うと、青葉が、
「どうしたんですか、いつでも何処でも自信満々な人が。
金と権力を行使している人間は、より金と権力のある人間の前では無力なんですね」
と母に発破をかけるためか、嫌味を言う。
「なに言ってんのよ。
引く気はないわよ。
でも、冷静に考えたらそうかなって思うだけよ」
と日向を抱いて睨む母を見下ろし、青葉は言った。
「ともかく、吾妻陽平に会って話をしてみますよ」
えっ? と寿々花と二人で見上げる。



