甘味処の相席に気をつけて、と祖母は言っていた。
人気の甘味処で見知らぬ青年と相席になった若き日の祖母は、その青年を身なりのいい端正な顔をした人だな、とは思ったが。
自分とは違う世界の人っぽいな、と思い。
特に気にせず、手にしていた本をまた読みはじめた。
その青年も持ってきていた本を読み始め、二人は同時に笑った。
違う本を読んでいたのに、違う内容で、たまたま同時に。
その偶然に二人は目を見合わせて笑い――
「そして、私の母、真希絵が産まれたのです」
「いや、話飛びすぎでしょっ」
と寿々花が叫んでいた。



