帰り際、 「おねーちゃんから連絡あったら、教えてね」 と言ったのは、大島穂月の家の小学生の長男だった。 ということは、穂月も事情は知らないのだろうか。 子どもたちがいなくなったあと、青葉は、ひとり、夕暮れの道に立ち、唱えてみる。 「……ちちんぷいぷい」 あのときのように、パチンと指を鳴らしてみても、やはり、あかりは現れなかった。