「おねーちゃんいないんだけど、知らない?」

 よかった。
 やはり、あかりたちは俺の妄想じゃなかった、とホッとすると同時に、余計に不安になる。

 じゃあ、あかりたちは何処へ行ったんだ?

 立ち尽くす青葉に子どもたちが言う。

「あ、そうだ。
 おにーちゃん、知ってるじゃん。

 おねーちゃんが現れる呪文」

「そうだよ。
 あれ、唱えてよっ」

 青葉は子どもたちと、
「ち、ちちんぷいぷいーっ!」
と唱えてみたが。

 当たり前だが、あかりは現れなかった。