「いいですね。
 行きましょうっ。

 私が日向の父ですからっ」
と事情を知らない人には、何故、そこで父であることを強調する? と思われそうなことを青葉は叫ぶ。

 だが、そこで、いきなり大吾がやってきた。

「話は聞かせてもらった」

 いや、何処から……。

「その運動会には俺が出る。
 日向の未来の父だからなっ」

「日向の父親は過去も未来も俺ひとりだっ」

 よく似た二人が揉めはじめるのを見て、元が、えーっ? と困った顔をする。

 そんな平和な夜。