ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 寿々花(すずか)が降りてきた。

 今日はお気に入りの車を自分で運転してきたようだ。

 こちらに気づいて、おや? という顔をする。

 とりあえず、目が合ってしまったので、あかりはぺこりと頭を下げたが。

 真希絵が慌てて、
「早く降りなさいっ」
と言ってきた。

 ええっ? と思ったが、

『日向があなたみたいになったら困るから、べったり日向といないで』
とあかりに言った寿々花の言葉を思い出したのだろう。

 日向の親権を争いたくない母は娘を売った。

 ここまで一緒に送ってきただけですよ~という顔で、寿々花に向かい、ぺこりと頭を下げている。

 仕方ないので、あかりは車を降り、寿々花に挨拶した。

「こんにちは。
 あの、今日はおやすみなので、ちょっと当日券が出てないかなと思って、見に来たんですけど。

 ついでのあった母に乗せてきてもらったんです。

 それで、今から並ぼうかと」
という作り話をする。

 すると、いつものちょっと低めの迫力のある声で、寿々花が言う。

「あらそうなの。
 私もよ」