ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「いや、一日、何人かは来ますよ。
 来るだけなら」

「迷い込んだ客を逃すなよ。
 蟻地獄みたいに」

 ロクなこと言わないなあ、と思いながら、あかりは立ち上がり、
「いらっしゃいませ~」
と微笑んだ。

 すっきりした爽やか系の男性だ。

 さっきの会話、聞かれてたら逃げそうだ、と思ったとき、その人は言った。

「あの、ここ、占いの店だと聞いて」

 違います……。

 真面目に占う自信はないので、近くの占いの館のチラシでも渡そう、とあかりは引き出しをゴソゴソやりかけたが――。

「私、大島元(おおしま はじめ)と申します」
と彼は名乗った。

 あ~、とあかりは声を上げる。

 クソ旦那さんでらっしゃいますね。

 全然、クソな感じはしないのですが。