「それでさー。
すぐに直してもらえることになったんだけど、ビックリしたよー」
実家で晩ごはんを食べながら、鞠宮あかりは言った。
今日は、あかりの好きなチーズ イン ハンバーグだ。
みんなはもうごはんを食べていたので、同じく遅く帰ってきた弟の来斗と二人で食卓に着いていた。
二歳になる、年の離れた弟、日向はあかりの父、幾夫の膝でテレビを見ている。
「ちゃんと相手の名刺とかもらったか?」
と来斗が訊いてきた。
「うん、大丈夫」
「見せてみろよ」
「いやいや、大丈夫。
こう見えて、おねえちゃん、しっかりしてるから」
「……なにもしっかりしてないと思うが」
来斗はそこで、風呂上がりでほこほこの日向を振り向き、
「日向、おねえちゃん、しっかりしてないよな?」
と訊く。



