ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「でも、面白かった。
 子供も読めるようになったら、読ませたいから描きなさいよ」

 じゃあ、と穂月はアイスコーヒーのお礼にと、スマイルではなく、近所の美味しいお菓子屋さんのクッキーを置いて去って行った。

 孔子は振り返りもしない。

 カランコロン……と扉が閉まるのを見ながら、あかりは呟く。

「なんだろう。
 あんまり目も合わせないし、スパイ同士の緊張感あるやりとりみたいだった」

「なんなの、その例え。
 ほら、笑うから、アイスコーヒー

 ……と紙と鉛筆」

「え?」

「今、ナイスなアイディア浮かんだ。
 穂月をモデルに悪役描いてやる」

 孔子の漫画に出てくる悪役は、いつも何処か、なんとなく、やさしい。

 前と違う穂月の面を見たから、いい感じに登場させられそうな気がしたのかもしれない。