「おねーさーん、喉乾いた」
翌日の夕方、店の前を掃いていたあかりの許に、子どもたちがやってきた。
……最初は『呪文教えて』だったのに。
要求がずいぶん変わってきましたよ、と思いながら、あかりは、子どもたちによく冷えた氷入りの水をやる。
勝手にジュースとかあげたら、親御さんたちに怒られそうだしな、と思いながら。
そこで、あかりは思いつき、店の奥から茶色い紙袋に入ったものを持ってきた。
「あ、ねえねえ、君たち、このお茶いらな……」
「いりません」
「ごちそうさまでしたー」
……子ども、勘がいいな、と思ったとき、買い物帰りらしい小さな子どもを連れたママさんがやってきた。
「あっ、こらっ。
また、おねーさんにたかったりしてっ。
すみませんっ」
いつも見る男の子が、ぴゅっと物陰に隠れる。



