「おっと、もう時間だな」
壁の時計に気づいて立ち上がった青葉が、
「600円か」
とカウンターにアイスコーヒー代を置く。
いや、だから、何故、600円っ、と思ったとき、持ってきていてた電車のおもちゃで遊んでいた日向の前に青葉がしゃがんだ。
「日向、その……
俺のこと、おにーちゃんじゃなくて、お父さんとか呼んでみてくれないか」
一大決心をして言ったらしい青葉に、日向は光に透ける茶色い瞳を向けて言う。
「おとーさんはダメだよ。
おとーさんはもういるから」
誰のことだっ!?
と青葉は振り返ったが、
いや……、大吾さんのことではないですかね?
父親と呼ばせてたから、
とあかりは思う。
案の定、日向は、
「おとーさんって、父親のことなんだって」
と言う。



