「ねえねえ、おにーちゃん、これ、読んで」 もう帰ろうとする青葉の膝に、絵本を手にした日向がよじ登っていた。 「あ、こら。 おにーちゃんは帰るのよ」 とあかりは言ったが、青葉は、いや、いい、と言って、日向を膝に抱いていた。 「……子どもの髪、いい匂いがするな」 ちょうど鼻先に日向の頭が来るからだろう。 よく日にあたった子どもの髪の匂いを嗅ぎながら、青葉は、しみじみとそんなことを言う。 日向は、これ読んで、と言っていたが。 図鑑のような絵本だったので、あまり文章はなかった。