ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「記憶をなくしたのは事故のせいで。
 そのとき、たまたま、お前が男と会ってたことを忘れたいと思ってただけなんだろうが。

 ……なんだか、そのせいで忘れてた気がして。

 すぐに訊けばよかったんだろうけど。

 お前が俺には見せないような緊張感のない顔で、あの男と話してたから気になって」

 いや、緊張感のない顔ってなんなんですか……、と思いながら、あかりは言う。

「それは……嶺太郎さんだと緊張しないけど。
 青葉さんだと緊張するからです」

「なんで緊張するんだ?」

 な、なんででしょうねっ。
 わかってて訊かないでくださいよ、青葉さんになりかけの木南さんっ。

 あかりは俯き、手にしていた布巾をぐしゃぐしゃになるまで握り込む。