ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 仕事の途中、たまたま、あかりの家の前を通った。

 ちょっとだけでも顔が見られたら、とウキウキしていつものあの道を通った自分は見てしまったのだ。

 いつも自分にするみたいに。

 あかりが笑顔であの金のノブのついた白い扉を開け、違う男を出迎えているところを――。

 驚くほど綺麗な顔をした、細身で長身のその男は、雑誌から抜け出たようなファッションで目立っていた。

 ……目立って当たり前か。

 あの子たちが言っていた。

 あの男は、世界的に活躍しているハーフモデルのレイなんだと。

 あのとき、あかりに声をかけて、
「その男は誰だ」
と訊くべきだった。

 だが、楽しそうに話しながら、家の中に入っていく二人をただ見送ることしかできなかった。