緑あふれる木々の向こうに、コンクリート打ちっぱなしの四角い建物があった。
大きなガラス窓からはウッド調の落ち着いた店内が見える。
「こういうコンクリートむきだしの建物、好きじゃないんだけど。
ここは、いい雰囲気じゃない」
と寿々花も機嫌がよかった。
まあ、日向がいるからかもしれないが。
先頭のカンナが扉を開けて入ると、黒いベストにタイトスカートの女性の店員さんが、にこやかに現れる。
「満島です」
とカンナが言うと、優雅に微笑み、
「お待ちしておりました、満島様。
八名様ですね」
と言ったあとで、その店員さんは、全員の後ろの方を見て、おや? という顔をする。
「あ、九名様ですか?」
えっ? と全員が振り向いたが、誰もいなかった。



