「ほら、日向が好きなぞうさんだぞー」
と幾夫がぞうが見られる柵のところまで、日向を連れていった。
ところが、首から子供用のカラフルな双眼鏡をさげている日向は、
「ぞうさん、いないよ」
と言う。
「そこで、ぱお~んとか言ってるじゃないか」
ぞうは、ぱお~んは言ってなかったが、のしのし目の前を歩いていた。
「ぞうさんは、これだよ」
と日向は看板に描いてある、水色で、お目目ぱっちりのイラストを指差した。
全員が困る。
そうか……。
子どもにとっては、リアルに象色で(?)、なんかしわしわしてるこのデカイのは、ぞうではないのか、とみんなでしみじみしていたが。



