ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 愛するあかりの秘密を見て見ぬフリするために、記憶を失ったとか――
と言おうとしたとき、あかりが言った。

「まさか。
 それに気づいた私が青葉さんを殺害したとかっ?」

「……俺、生きてるよな」

「……すみません。
 昼間、お客様が来ないとき、再放送の二時間サスペンスを見てるので」

 じゃあ、毎日、ずっと見てるんだな……。

「まあ、私みたいにずっと見てなくても。
 日本人には二時間サスペンス脳の人、多いと思うんですよね~」

「そんな脳みそ、捨ててしまえ。
 だが、まあ、そのあと、俺が事故にあったのは確かだな」

「すると、私の恐ろしい秘密を知った青葉さんを誰かが事故に――」

 あかりはまだ、二時間サスペンスの世界から抜け出せないようだった。