うーむ。
あかりの心の扉が開きかけているのに、こちらが急いで閉めてしまった。
もしかして、俺が記憶をなくしたのは、事故のせいじゃなくて。
なにか封印しておきたい記憶でもあったとか?
「木南さん、どうかしましたか?」
そんな青葉の動揺に気づき、あかりが心配そうに訊いてくる。
「いや……」
最初は黙っていようかと思ったが。
こんなことで、せっかく近づいたあかりとの距離がまた開いてしまうのは嫌だな。
そう思った青葉は覚悟を決め、訊いてみた。
「お前、フィンランドにいた頃、俺になにか秘密にしていたことはないか?」
「えっ?」
「なにか俺に恐ろしい秘密を隠していて、それで。
それに気づいた俺は……」



