ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 好きすぎた青葉が消えたあと、固く閉ざしてしまった心の扉がチラと開いて。

 あのフィンランドの家の――

 いや、今のお店の扉の隙間からランプの光がちょっともれている。

 そんな気分だった。

「そういえば、お前、まだ俺を木南さんと呼んでるな」

「それは、その……

 記憶のないあなたに、過去の青葉さんを押しつけるのも悪いなと思いまして。

 ちょっと距離を置こうかと」

 大好きだった青葉さん。

 初めて人を好きになって。

 しかも、両思いになれて。

 私に日向までくれた、奇跡のような青葉さん。

 その青葉さんを、このいきなり植え込みに突っ込んできた何も知らない人に重ね合わせるのも悪いかな、と思っていたから――。