ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 それにしても、授業中なにやってんだ、お前らは、と青葉は思った。

 そのうち、算数とかの時間にもやりはじめて、

「みんな、なにやってんだ」
と先生に怒られて。

「怪しいランプのいっぱいある、おまじないのお店で習いました」
と子どもたちが白状し。

 この店に教師が来て、警察が来て――。

「青葉さん、助けてくださいっ」

 青葉の妄想の中。

 あかりは乱暴に刑事たちに腕をつかまれながら、振り返り振り返り、青葉に助けを求め、叫んでいた。

 ――まあ、怪しい呪文を教えて、生徒を惑わし。
 授業の妨害をしたくらいじゃ警察には捕まらないだろうが。

 どのみち、この妄想が現実にはならないことを青葉は知っている。

 彼女が自分のことを、
「青葉さんっ」
と呼ぶ日は来ない気がしていたからだ。

「おねーさん、おねーさんっ。
 別の呪文も教えてよっ」

 案の定、子どもたちはそう言ってきた。

 ほら、見ろという顔をして、青葉はあかりを見る。