晩ごはんを食べにおいでと言われ、あかりは実家に行った。
あかりが母だと知っていたらしい日向が走ってくる。
「おねーちゃーんっ」
「あの……幼稚園に行ったときは、おねーちゃんはやめて」
と言ったあかりに日向はセミのように抱きついてきた。
チラと見えた日向の肘に、貼ると早く治る絆創膏が貼られているのに気がついた。
「どうしたの? これ」
「うがぐるまでこけた」
と言って、日向はゲラゲラと笑う。
自分が人形のうがぐるま……乳母車を押していて、こけたのがおかしかったらしい。
「……乳母車。
最近はベビーカーって言わない?」
しかも言えてないし、とあかりが思ったとき、オロオロした様子で、真希絵が廊下に出てきた。



