昼休み、また青葉が店を覗こうとすると、店の中に母、寿々花の姿が見えた。
あかりと二人、並んでカウンターに並び、雑誌を眺めて笑っている。
ふいに怒りが込み上げてきた。
お前たちがそんなに今、仲良くしているのなら。
あのとき、俺たちが引き裂かれた意味は何処にっ?
だがまあ、母親の言い分もわからないでもない。
自分たちの周りにはいつも財産目当ての連中や、今の地位から引きずり落としてやろうと狙う輩がいるし。
いきなり見知らぬ女が、自分は青葉さんが記憶喪失の間の恋人でしたと言ってきても信じられるものではない。
だが、このあかりのぼんやり顔を見て、詐欺師だと思う奴がいるか?
と青葉は思う。
そのとき、俺に会わせてくれていたら、記憶は戻らなくとも、すぐに恋に落ちていた自信があるのに――。
今も記憶もないのに、こうして、また好きになってしまっているわけだし。



