ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「そういえば、記憶喪失になっても、常識的なことは忘れないの、なんでなんでしょうね?」

「……お前も辞書とかに載ってたら、忘れなかったかもな」

「『あかり』……」
と呟きながら、あかりはスマホの辞書を引いていた。

「あかりとは、光。ともしびのこと」

「待て。
 お前、今、辞書の前の画面、ゲームだったじゃないか。

 なにがヒュッゲだ。
 スマホのゲームのキリが悪くて店に残ってただけなんじゃないのか?」

 ちょっと見せてみろと、手を伸ばす。

「いやいやいやっ。
 このハゲたおっさんの一生を見守るのもヒュッゲですよ」

 逆ギレし、スマホを隠そうとしたあかりの手を思わず、つかんでしまった。

 慌てて離す。

 あかりも自分から距離を置いた。