ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「初めて会ったときのこととか。
 初めて手をつないだときのことを思い出していました。

 あと、あなたの笑顔とか」

 いなくなったあと、心の中で、惨殺しないと落ち着かないくらい好きだったから――。

「笑顔か。
 今はお前を見て笑えないな。

 ……なんか緊張して」

 だから、そういうことを言わないでください、とあかりは思う。

 心の中で、自ら殺した過去の青葉を助け起こし、
「しっかりしてくださいっ」
と叫びそうになる。

 ――しっかりしてください。

 起き上がって、もう一度、こっちを見てください、と。

 そんなことを考えながらも、あかりは自らの心の内は語らずに、車を降り、ぺこりと頭を下げた。

 青葉の車が消えるまで見送る。