ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「まあ……そうだろうけど」
 
「出産中、ずっとあなたのことを考えていました」

 アパートはすぐそこだ。

 もう着くのに、こんな話わざわざしなくてもいいような気もしたが。

 気にしてくれている青葉のために言った方がいいような気もしていた。

「ずっと、あなたが手を握ってくれている気がしたんです。

 いや、握ってくれてたの、あなたのお母様だったんですけどね……」

「そんなところまで行ってたのか、うちの親……」

「それが、うちの親たちが、まだ出そうにないから、ちょっと家に帰って用事してくるって病院を出ていった直後に、生まれそうになって。

 たまたま、寿々花さんがいらしたんです。

 私は寿々花さんに手を握られ、あなたのことを考えながら、日向を産みました」

「俺のことって、恨み言でも考えていたのか」

 いいえ、違います、とあかりは言った。