ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「なんであなたが産むんですか。
 動転してますね?

 産んだのは私です」

「なんでお前が俺の子を産んでるんだっ。
 まだ告白もしてないのにっ」

「……告白?
 なんの話ですか?」
とあかりが眉をひそめ、寿々花が、ふう、と溜息をついた。

「木南さん。
 日向は、あなたが記憶を失っていた一週間の間に、お作りになったあなたと私の子どもです」

 えっ?
と動転する青葉を見据え、あかりは言う。

「あなたであってあなたでない。
 もう消えてしまった青葉さんと私の子です、木南さん」

 まだちょっと早い蝉が街路樹にとまって鳴きはじめ。

 その下では、日向が耳を押さえられ、きゃっきゃと喜んでいる。

 十二時になったら、街に流れるメロディが何処からともなく聞こえてきた。

 あかりは、その音を追うように顔を動かしたあとで、みんなを見回して言う。

「……出前でもとりましょうか」