ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「いっちばーんっ」
と日向が笑顔でガラス扉を押し開ける。

 嬉しそうな日向の頭の上で、幸せの鐘のようにドアチャイムがカランカランと鳴った。

 ……一番って、二番はいるのか、このかけっこの。

 まさか、そこで、ふうふう言ってるうちの母親か、と思いながら、ガラス扉の向こうの、ボロボロになって追いかけてきたらしい真希絵を見る。

 最近、日向の足が速くなって、走り慣れてない大人は、いつも、死にそうになって追いかけている。
 
「おお、……なんか寿々花さんにそっくりな子が」
と大吾が呟く。

「やめてください。
 日向に身構えてしまいそうだから」

「まさか、青葉の子か?
 子どもがいたのか。

 それは忘れられないな」

 よし、わかった、と大吾はその場にしゃがみ、日向に向かって両手を広げた。

「来い、子ども。
 俺が父親だ」