なにかもう疲れたので、あかりはその日、実家に泊まった。
寿々花さんにバレませんように、と思いながら。
そこここに寿々花さんの密偵とかいそうな気がするからな。
知り合いが貸してくれていたフィンランドの家の。
窓際に置いた小さなテーブルで、青葉と二人。
ランプの光に照らされて向かい合い、食事をしている夢を見た。
たった一週間のできごとだったんだよな。
それがこんなに人生を変えてしまうなんて。
日向が生まれたからとか言うんじゃなくて。
きっと、子どもができてなくても。
青葉さんがすべてを忘れてしまっても。
私は、あの一週間を一生忘れない――。
夢の中でそう思ったとき、窓の外にもう一人の青葉がいた。



