ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「うん。
 だが、そういえば、青葉が物思いに(ふけ)っているときもあったぞ」

「えっ?」

「食事に行ったレストランを出たあと。
 向かいの家の扉の外にかけてあるランプを見て、ちょっとぼんやりしていた」

「そ、そうなんですか……」

 あかりはフィンランドの家の扉にあのランプをかけていた。

 似たような家が立ち並ぶ中、青葉はそれを目印にやってきていた。

 少しは覚えてくれていたのだろうか。

 記憶は失っても、心の何処かに――。

 欠片だけでも残っていたのなら嬉しいな……と思ったとき、あかりを見つめていた大吾が言った。

「地面を見ているより、お前の顔を見ていた方がなんか思いつきそうだ」