ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「俺のこと、誰に訊いたんだ?

 青葉か?
 寿々花さんか?」

「青葉さんの記憶はまだ戻っていません。
 でも、そっくりな従兄がいることを教えてくれたので」

 汚れた軍手を外しながら、大吾は言う。

「俺が香港の大学に行ってたとき、寿々花さんから連絡が入ったんだ。

 香港にいるのなら、ちょうどいい。
 フィンランドまで来てちょうだいって」

 香港ならフィンランドに行きやすい、とかない気がするのだが……。

 まあ、寿々花のことだから、大吾が九州にいても、

「九州にいるのなら、ちょうどいいわ。
 フィンランドまで来てちょうだい」
と言っただろうし。

「アフリカにいるのなら、ちょうどいいわ」も、

「南極大陸から戻る船の中なら、ちょうどいいわ」もあっただろう。

 あの人にかかれば、なんでもありだ。

 寿々花にとっては、青葉にそっくりな甥がいることこそがちょうどよかったのだから。