ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

「うん……わかったよ。
 孔子、ネームできたの?」

「ネームって、なに?
 ここはそんなもののない世界。

 異世界だよ」
と孔子は微笑む。

 現実逃避してしまった……。

 孔子は漫画家だった。

 大学受験で忙しいころデビューして、当時は必死に時間を見つけて描いていた。

 だが、大学生活にも慣れて、時間に余裕ができたとき――。

「なんか、ぷつっと切れた」
と言って、あまり描かなくなってしまった。

 頑張りすぎた反動だったのかもしれない。

 今では、派遣で事務仕事をしながら、たまに描いている程度らしいが。

「やめたわけじゃないのよ。
 描いてはいるのよ。

 ピンと来なくて、担当さんに見せられないだけよ。
 頑張る気はあるのよ。

 でも、それには、あのイケメンを……」

 堀様もいいけど……

 あのイケメンを……と繰り返し呟きながら、孔子は酒を呑み、寝てしまった。

 ヤバい。
 孔子のためにも、そのイケメンと知り合いにならねばっ。

 そして、孔子の絵のモデルになってくださいと……。

 いや、孔子、自分で頼めっ、と思っているうちに、あかりも寝てしまい。

 何故か昨日の夢の第二部がはじまった。