「うへえ。 それじゃ、その車で突っ込んできたのが、前の旦那だったのかー」 もう布団も敷いて、寝る準備万端、な感じで、酒盛りは始まった。 「いや、前の旦那もなにも、結婚してないし。 一週間しか一緒にいなかったし」 「それで産んで育てちゃうんだもんね~、女って。 男の人は作るだけ作って知らんぷりなのに」 いや、青葉さんは、知らんぷりしたわけじゃなくて、知らないんだけどね……。 なにも知らない。 私のことを好きだと言ってくれて。 共に過ごした日々があったことも――。