偶然だという話を信じたんだろうかな。 あまり突っ込んで訊いてこなかったが、と思いながら、あかりは夜、おねむになった日向に絵本を読んでやっていた。 眠り姫だ。 一緒に布団に寝転んで本を読んでいると、来斗が覗いて言う。 「なんで眠り姫だよ。 もっと男が好きそうな本読んでやれよ。 桃太郎とか、一寸法師とか」 「日向が、いい王子様になるようによ」 「……なんだ、いい王子って。 お前の相手は悪い王子か?」 その悪い王子が敬愛する社長だとも知らずに来斗は言う。