ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 先に口を開いたのは真希絵の方だった。

 青葉さんとはいえ、お客さんに向かって黙ってるの、おかしいわよね、と思ったからだ。

「い、いらっしゃいませ~」
とひきつりながら言ってみる。

 青葉はちょっとホッとしたような顔をして、
「あの、今日は店長さんは?」
と訊いてきた。

 『店長さんは?』

 記憶が戻ったにしては妙な言い方だ。

 それに、私が誰だかわかっていないようだし。

 でも待って。
 記憶もないのに、なんで、ここにいるのっ!?
と思った真希絵は、客である青葉に向かい、訊いてみた。

「どうして、ここに来られたんですか?」

「……どうしてって。
 ランプを買いに、ですかね?」

 『手袋を買いに』みたいな感じで青葉は言う。