「あら、あかりさん、いらっしゃい。
まあ、浜野屋の、これ、美味しいのよね。
ありがとう」
上品な包み紙の和菓子を渡すと、寿々花の友、泰子は喜んでくれた。
日の光のよく入るリビングでお茶いただく。
浜野屋の息子はあかりの幼稚園の同級生で、などと言う話をしたり、堀貴之の話をしたりして、しばし盛り上がった。
そのうち、泰子の息子の話になる。
「もういい年なんだけど。
なかなかいい人いなくてねー。
あかりさんは、もうお相手はいらっしゃるの?」
「え、いえ……」
「うちの息子、どうかしら。
あなたが嫁なら、話も弾みそうだわ」
ふふふふ、と泰子は笑う。
泰子さんが姑さんなら、私も話が弾みそうですっ、と思わず、微笑んだあかりを横から、無表情に寿々花が見ていた。
ひっ、とあかりは息を呑み、心の中で弁解する。
寿々花さんとだと弾まないというわけではありませんよっ。
実際、弾んでますしね、結構っ、と思いながら、あかりは、
「そ、それが実は私、シングルマザーで。
息子がひとりおりまして」
とお宅のご立派そうな息子さんには釣り合いませんので、的な話をする。



