「ともかく、私はなにも罠なんて張ってません。
達人のおばあさんを調達してきたりとか。
そんなすごいことできるのなら、こんなところでしょぼい店なんてやってません」
とあかりは主張する。
「ちょっとあなた、自分でしょぼいなんて言ってどうするのっ」
とあかりは、いきなり寿々花に怒られた。
「この店、そう悪くないわよ。
ちょっと人目につきにくい感じの店なだけでしょ。
この私が友人への手土産を買いに来るくらいだから、あなたのセンスは間違ってないわ。
私は、どんな知り合いの店だろうと、気に入らないと買わないから」
と突然の叱咤激励をされる。
……なんかあの、ありがとうございます、と思った。
確かに、寿々花のことだ。
気に入らない店なら、どんなに忖度の必要な相手の店でも、
「なにこれ、私が来る価値ないわね」
とか言い出して、周りを慌てさせそうだ。



