「でも、会ってみたら、あなたそういうタイプじゃないじゃない。

 だけど、出会って一週間で妊娠なんて。
 やっぱり、青葉は破廉恥な女に騙されたのかしら、とか悩んだり。

 揺れる母心よ。

 あなたも日向の母親でしょう?
 想像してみなさいよ。

 日向が大きくなったとき、日向の記憶がなくなって。

 いきなり、
『お母さん、日向さんの記憶にはないようですが、私は日向さんの恋人です』

 って、見知らぬ、ちょっと(とぼ)けた女に言って来られてごらんなさいよ。

 私の気持ち、わかるから」

 ……なかなかない状況かと思いますね、それ。

 っていうか、今、『惚けた女』のフレーズ、必要でしたか……?