日向と青葉さんより、日向と寿々花さんの方が似ている。

 だから、大先生、耳しか似てないと思ったんだな、と思いながら、返事もせずに寿々花を見ていると、

「なによ、怖いわね。

 そうよ。
 ちょうど香港にいた大吾を呼んで、青葉の身代わりをさせたのよ。

 どうせ、金目当ての悪い女にでも騙されたんだと思ったからよ。

 青葉の記憶はないんだから、女の方でどうとでも好きなように話作れるしね」
と言い出す。

 あの、『ちょうど香港にいた』の意味がわかりませんが……。

 我々いたの、フィンランドなんですけど。