青葉と再会したことは、まだ寿々花には言っていない。

 寿々花が青葉を連れてきたとき、二度と息子には近づかないと約束させられたから。

 妙な動きを見せたら、日向を取り上げられるかもしれない――。

 それに、私の中では、もう、この青葉さんは、あのときの青葉さんとは別人だしな、とあかりは思う。

 そもそも、今の青葉さんは、私のことを、時折、変な呪文を唱える、経営下手な店長、くらいにしか思っていないだろうし。

 あかりは、薄味だが、出汁のよく効いた煮物を食べながら、ふと訊いてみる。

「あのー、木南さん、生き別れの双子の兄とか、弟とかいますか?」

「いや、俺は姉しかいないぞ」

 ……ですよね、と思ったとき、青葉が言った。

「そういえば、前もおかしなことを言ってたな。
 俺と会ったことがあるとか」