ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

『朝、ランプつけてもいいんじゃないか?
 こっち、夜明け遅いしな。

 そういえば、北欧の人たちは、夜が明けるのをずっと眺めてたりするらしいぞ。

 日が昇るまで、ランプつけて、眺めてたらどうだ?』

 ――とフィンランドにいた頃の、木南青葉は言っていた。

 フィンランド。

 ムーミンの住む国。

 ……違うな。

 ムーミンが住んでるのは、ムーミン谷でフィンランドじゃない、とという論争が大学入試で起こってたっけな。

『ムーミンが住んでる国は何処でしょう?』みたいな問題で。

 でも、なんか木々の後ろや湖の側なんかに、ムーミンが潜んでそうな気がするフィンランド。

 そんな憧れの国に留学し、あかりは青葉と出会った。

 青葉に言った通り、ふたりはお互いの通り道を塞ぎ合って出会い。

 道を訊かれ、恋に落ちた。

 今の冷静な青葉に説明したら、
「なんなんだ、それは」
と言い出しそうな状況だ。