ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

 少し迷って、寿々花は、
「今風に言うなら、青葉の元カノってやつね」
と言う。

「やだ。
 なのに、一緒に推し活してんの?」

 木南さんらしいわ、と彼女は、ほがらかに笑った。

「いいから、行きましょ。
 はじまるわよ。

 行くわよ、あかりさん」

 さっさと歩いていってしまう寿々花に、あかりたちは、寿々花の友人と目を合わせて笑ったあとで、劇場に向かって歩き出す。

 夕暮れに浮かび上がる劇場の明かりを見ながら、あかりは先ほどの青葉を思い出していた。

『ずいぶんと愉快な男だな』

 いや、それ、あなたなんですけどね。