青葉に扉のインテリアを褒められ、あかりはちょっと嬉しくなっていた。
昨夜、外にかけていたあのランプ。
中に置いているときは、あの扉の側にかけている。
ほんのりとしたランプの灯りが照らす蒼い扉を見ていると、その扉の向こうに、あの人と過ごしたあの部屋がある気がしてくる――。
だが、何処にもつながっていない扉の向こうに、もちろん、あの人はいない。
青葉が言った。
「その、この間言ってたお前を捨てた男だが。
……そもそも、どうやって出会ったんだ?」
青葉はそんな話を振ってきたが、ほんとうは、なにか違うことを訊きたいように見えた。
青葉はフラれるために、告白しようとしていたが。
その告白がまず、できず。
思わず、あかりを捨てた男のことを訊いてしまっていたのだが、あかりには、そんなことはわからない。
どうして、私を捨てた男のことばかり気にするんですか、とあかりは思っていた。



