猟奇殺人者は鏡の前に

A子は涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら「誰か」に「やめて」と訴え続ける。
「誰か」は銃口を突きつけながらA子のそんな顔を見て銃口をA子の腕から離した。
A子がほっとしたような様子で胸を撫で下ろしたその時。
『パァン』という何かが破裂するような音がして、静寂が訪れる。
恐怖の表情を浮かべながらA子を見ていた全員が、A子から顔を逸らす。
「次は自分だ」と思ったのか、左腕を背中に隠す素振りをする者もいた。
一瞬の静寂の後、A子の「ああああああぁぁぁぁぁあっ」という叫び声が響き渡った。
A子の二の腕から先は無くなっていて、ダラダラと血が流れている。
肘から先はだらしなく床に転がっていた。
「誰か」は、床を転げ回って痛がるA子を他所に、A子の肘から先を見つめた。